入団テストは所属している選手を蹴落とさなければならない(選手育成のための参考文献)

 クルゼイロのクラブに入るにはテストを通過しなければなりません。そのための入団テストは毎月2回行っています。まず、第一段階のテストとして自ら入団を希望している少年をチェックします。第一段階で見る少年の数は60人くらいですね。近くのグラウンドを借りて、火曜日、水曜日、木曜日の三日間かけてテストします。ちなみにテストの費用は無料です。もし、地元の子供以外で有望な人材と判断された場合は、旅費や宿泊費もチームが負担します。
 テストの内容は集まった少年達にゲームをさせて、それを見たテクニカルスタッフたちが合否を決めます。スタッフが注目するのは技術、センスです。サッカーには体力、スピード、体格も大切ですが、それはチームに入ってから強化することが可能です。しかし、技術はこの段階まででほぼ決まっており、またセンスは教えられるものではないからです。
 具体的にいうと、ボールの持ち方、パスを出すタイミング、ポジショニングなどをチェックします。またボールを持っていない時の動きや判断力、決断力なども見ます。そして、それらの中でスタッフが特に注意深く見るのは、困難な局面になった時にどういう対処をするかです。テストを受けるのはある程度のレベルに達した子供ばかりです。簡単な状況でのプレーがうまいのは当たり前です。難しい状況をどうやって乗り切るのかがプロとの分かれ道なのです。個人技で打開する選手もいれば、周囲をうまく使って切り抜ける選手もいます。プロで大成する選手とアマチュアのうまい選手との差は、ここにあるといっても過言ではないのです。
 さて、第一段階で合格した子供は第二段階のテストを受けることになります。ここではクラブのスカウト達が連れてきた子供達も一緒にテストを受けることになります。ここでもテストのやり方は同じで、試合でのプレーによって合否が決まります。
 第二段階で合格してもまだ入団は認められません。ここで合格した少年は最終テストに進みます。最終テストは自分の年齢と同じカテゴリーでプレーしているクルゼイロの選手達と約1週間の練習をすることです。この練習で今いる選手よりも”良い”と判断された時、初めてチームの一員となれるのです。
 しかし、合格させるだけではチームの人数は増える一方です。過剰な人数はプロ選手を育てるのには適していません。そこで合格した選手より”良くない”と評価された選手はチームを出なければなりません。もし、その選手がクラブと正式に契約を結んでいるのであれば、他クラブへ移籍するか州の2部か3部のチームへレンタル移籍することになります。少年達にとっては過酷なことでしょうが、プロになるということはそのくらい厳しいものなのです。

選手育成の参考になれば幸いです。CALDIO FC