完成された選手になったリー・カースレイ(選手育成のための参考文献)

 私がダービー・カウンティーにスポーツ心理学者として仲間入りしたとき、コーチからすぐに紹介されたのが、本来の実力を全く出せずにいた才能溢れる若き選手、リー・カースレイであった。面接やちょっとしたときに話をしたりすることで彼は私を信用してくれるようになり、パフォーマンスを低下させる原因となっていた彼の心理的、感情的問題を明らかにすることができた。その問題とは次のようなものであった。

①リーは、心の奥底では自信を持つことができずに、そのことがマイナスの行動となって現れていた。そのような行動が「どうでもいい」と思っているような印象を与え、コーチや他の選手たちにやる気がないと感じさせたり、信頼できないと思わせたりしていた。
②リーは自分の失敗をうまく処理できなかった。ミスを相当気にするので、パフォーマンス全体が瞬時に悪くなった。

 そこでリーと私は、リーの自信を回復させ、彼に対するコーチングスタッフの認識を変えるための心理的、感情的ゲームプランを立てた。このプランには、次のようなシンプルだが大切な行動の改善点が含まれていた。
●自分の外見にもっと気を使い、プロ選手に見えるよう努力する—”見栄えよく、感じよく、動きよく”
●練習開始前にグラウンドに行き、真っ先にフィールドに飛び出すなどして、やる気があることをもっとアピールする。
●集中力を高め、ミスの数を減らし、学習意欲を高め、練習態度を向上させるなどして、自分に高い基準を課す。
●感情をコントロールして平静を保つためのリカバリースキルを学ぶことで、ミスや批判にうまく対処できるようにする。

 意欲的な選手リーは、アクションプランを立てた途端にガラリと変わった。コーチ達の信頼を回復させただけでなく、もっと重要なのは、自分のことをよりプラスに捉え、より強く信じられるようになったことである。まもなく、リーはダービー・カウンティーサッカークラブ1軍のキーメンバーとなり、その後キャプテンを務めた。後に彼はアイルランド共和国の代表選手に選ばれ、最終的には高い移籍金と共にブラックバーン・ロバースに移った。完成されたサッカー選手に成長したと認められたのである。

選手育成の参考になれば幸いです。CALDIO FC