心理面の重要性(選手育成のための参考文献)

「選手を選手たらしめるのは心である。体はより早く走るため、より遠くへ飛ばすため、よりうまく戦うための道具にすぎない。」
…………ブライス・コーティネイ

 完成された選手であり、イギリス及びイタリアサッカー界のスター選手デビッド・プラットに、今までで最もよかったと思う瞬間を思い出してもらったところ、彼は2つの試合を挙げた。その2試合では心が体を完全に支配し、リラックスして完璧なプレイができたという。それらの試合では、ある重要な情報によって彼の心は前向きになっていったのである。
 1つ目の試合は、デビッドの所属するアストン・ヴィラ対ミラノという対戦だった。その試合でいいプレイができたら、イタリアのクラブと契約できるかもしれないと試合前に聞かされていたのだ。2つ目の試合は、イングランド代表として国際試合に出場したときのものであった。監督グラハム・テイラーは、招集された代表チームのキャプテンに初めてデビッドを指名すると発表していたのだ。
 選手として成熟していたデビッドは、これらの情報に動揺することなく心と気持ちをしっかりコントロールし、2つの素晴らしいパフォーマンスに結びつけたのである。しかし、責任やプレッシャーが加わることでパフォーマンスを低下させる選手はかなり多い。
 この例からも、サッカーで優れたパフォーマンスを発揮するためには、正しい心理状態を保つこと、つまり、体のみならず心をコントロールできるようになることがいかに大切かがわかる。
 現在のサッカー指導プログラムの多くは、圧倒的に(90%以上)身体面と技術面の上達に関する内容で占められている。心理面、あるいは感情面の事柄に触れているのは多くて10%程度だ。あらゆるレベルでサッカーに関わってきた私の経験から言えば、幸か不幸か、90%を占める身体面と技術面は、10%の心理面に左右されるのだ。したがって、完成された選手とは、身体面と心理面の向上を追い求め、それらの統合方法を学ぶことでポジティブな効果を得ようとする者のことである。—「まず頭で考え、それから心で…」。

選手育成の参考になれば幸いです。CALDIO FC